草を堆肥にする方法

堆肥

耕作放棄地を活かす

今回は、私の栽培方法について書いていきます。

私は新規就農者ですから、農地は先祖代々受け継いできたものではなく、すべて借りている土地です。他の農家の方が栽培をしなくなり放置された耕作放棄地を借り受けて、そこを開墾し生産しています。

ジャングルのイラスト

数年もの間、作付されていないのでそこには草が生え放題となっています。私はこの大量に生えている草を活かします。

堆肥の中身とは

農業をしたことがない方でも、堆肥(たいひ)という言葉を聞いたことがあると思います。

まず、私の栽培方法の説明をする前に、「堆肥がどのように製造されているのか、堆肥とはなんなのか」を知らない人のために、堆肥を簡単に説明させていただきます。

【炭素に窒素分を加えたもの】を微生物の力で分解・発酵させて、炭素と窒素のバランスを整えたものが堆肥です。

草・藁(わら)に、牛の排泄物を混ぜ、微生物により分解・発酵させたものが牛糞堆肥(ぎゅうふんたいひ)と呼ばれるものです。

牛の乳搾りのイラスト

草・藁(わら)に、にわとりなどの排泄物を混ぜ、微生物によって分解・発酵させたものが鶏糞堆肥(けいふんたいひ)と呼ばれます。

ニワトリのイラスト(酉年)

【草・わら(炭素)】+【牛の排せつ物(窒素)】を微生物で分解・発酵させた炭素窒素のバランスを調整したものが堆肥です。

炭素分は、草・わら、もみ殻(もみがら)落ち葉、などなんでもいいです。

腐葉土のイラスト

窒素分は、牛・鳥・豚の排せつ物、菜種油の搾りかす、コーヒーかす、家庭用生ごみなど窒素分を高めに含んでいればなんでも代用できます。

ここでは堆肥のつくり方ではなく、堆肥のイメージを掴んでいただくだけなので、「ふーん、そんな感じかぁ」程度に理解して頂ければ大丈夫です。

草を活かす

堆肥の作り方としては、普通は、堆肥舎と呼ばれる堆肥を作ったり保管しておく建物内で、上記の材料を山積みにして、状況に応じて適度に混ぜ、空気を入れて発酵を促して作られていきます。そうやって出来た堆肥を、畑に持ち込んで堆肥をまいて作物を作る。という流れが基本です。堆肥をまく作業は体力も使いますし、時間もかかります。

そこで私が耕作放棄地を利用して行っている農法は(農法というほど大げさなものではありませんが)私は、農作業にかかる労力・時間を極力減らしたいので、耕作放棄地に生えている草をそのまま堆肥として利用しています。要は畑で直接堆肥を作るというイメージです。

堆肥の材料は、上記に書いたように草・わら等が使われます。

稲刈り機のイラスト

耕作放棄地ですので、堆肥の原料である草は大量に生えています。その草を利用するのです。草刈り機などである程度細かく粉砕し、そこに※油かす(窒素)をまいて、耕耘機やトラクターで耕す。※油かす・・・菜種油の搾りかす

これだけです。堆肥を作る工程を畑で直接行っています。

炭素分(草)+窒素分(油かす)+適度に空気を入れる(耕す)

堆肥を作る工程で欠かせない微生物ですが、耕作放棄地の土の中にはたくさんの微生物がいてくれているので、微生物をどこかから持ってくるということは考えなくて良いです。

堆肥作りを堆肥舎で作って、畑に持ち込んで、まいていく。という作業を、畑で直接行っているので、大幅に労力と時間の短縮になります。

捨てたらもったいない

他の農家の方が耕作放棄地を開墾する際、耕作放棄地に生えている草を刈ったら、その草を畑の外に出して燃やす。という方もいらっしゃいます。ほとんどの農家の方がそうかもしれません。しかし、私からしてみると、せっかくの草がもったいないと思ってしまいます。直接畑に入れてしまえばいいと思います。

そのまま土に入れて耕せば、微生物が分解・発酵してくれるので、畑の外に持ち出す労力・時間もかけなくて良くなります。

畑に生えている草を外に出すか、そのまま耕すか、ちょっとした差かもしれませんが、無駄な作業を減らすことができますので草を畑に入れることをオススメします。

綺麗な地球のイラスト(環境問題)

ほとんどの農家の方が、【畑の中に草を入れる】ということを極端に嫌がっていらっしゃいます。【草は敵】という文化が根強くあるので、他の方も畑に草を入れることを嫌がります。

草を畑の外に持ち出して、一旦、堆肥化させて時間も体力もたくさん使って畑にまくのはOKということみたいですが、堆肥の元をたどっていくと、草やわら・落ち葉などです。

それならば、最初から畑で堆肥化させたほうが、体力も時間も使わなくていいと私は思っています。

草大好きな農家もいる

私の知り合いの農家さんに素晴らしい野菜を育てていて、順調な農業経営をされている方がいます。その方は、地域の草刈などで出た草や、川の堤防の草を土木会社などが刈った後、草を貰いに行って、生のまま畑に入れています。

土手のイラスト(背景素材)

【堆肥化させる前の草を直接畑に入れる】という今までの常識としては真逆の事をされているかもしれませんが、毎年毎年素晴らしい野菜を育てていらっしゃいます。

その方いわく「いい野菜を育てるには大量の草を畑に入れること」と言われています。

このブログを見ておられる方が信じるか信じないかはどちらでも構いませんが、勝手な思い込みを捨てて、一度、実験として狭い面積でいいので、畑に草を入れて作物を育てる体験をするのもいいのではないかと思います。

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